【著者プロフィール】
有家 尚志
2012年 理学療法免許取得(日本) 一般病院、通所介護施設勤務
2015年 Coventry大学修士課程入学
2016年 HCPC登録(イギリス理学療法士免許取得)、Coventry大学卒業 (MSc Advancing Physiotherapy Practice)

イギリス理学療法士免許取得

 イギリスで理学療法士(以下PT)として働くには、HCPC (Health and care professions council)という機関に登録しなければなりません。登録するには、①イギリスのPT養成校(学士または修士課程: pre-registration course)を卒業するか、②日本でPT免許取得後に申請する必要があります。ここでは、②について紹介します。

 免許取得の流れとしては、まず英語能力試験(IELTSまたはTOEFL)で必要要件をクリアし、書類の準備、実際に申請となります。書類審査には最低でも16週間かかると言われていますが、申請自体は日本から可能です。無事に合格すると、登録費用を支払い、免許取得(有効期限2年間)となります。

 必要書類は、応募フォーム、推薦状(3通)、日本のPT免許、卒業証明書(学士)、PT養成校時代の取得単位情報、身分と住所の証明書(英訳)、IELTSまたはTOEFLの成績証明書などがあります。申請費用は495ポンド(1ポンド135円で約66,825円)で、登録時には登録費用が別途かかります。書類の準備には期間を要します。特に取得単位情報は、養成校に依頼して作成していただく必要があるので、どのくらい期日が必要なのか前もって確認しておくと良いと思います。また、日本のPT免許の英訳は、厚生労働省に申請し、1カ月程度かかります。

 他国、例えばオーストラリアやカナダでは、免許取得に筆記や実技試験があるようですが、イギリスは書類審査のみで免許取得できました。ただし、イギリスでも養成校時代の教育が足りないとみなされた場合は、実習やコースの受講を追加されることがあります。

 また、就職に際してはEU圏外の国籍の場合、必ず就労ビザが必要となります。
(細かい書類の書き方や注意事項はたくさんありますが、ここでは省略します。)

 ※情報は、あくまで私が申請をした時のものであって、変更されているかもしれません。詳しくはHCPCのウェブサイトを確認してください。

 次のコラムでは、イギリスでの理学療法士の教育や待遇などについて解説します。

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