リハナビ特集 PT・OTの留学、海外体験

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そんなPT・OTさんやリハビリテーションワーカーの皆さん、学生さんのためのコンテンツです。実際に留学や海外青年協力隊への参加を実現し、世界に羽ばたいた先輩たちの貴重な体験談を掲載しました。

過去「PT・OTコラム・ターニングポイント」(会員限定)に掲載されたコンテンツを再編集し、一般公開しています。

エチオピアにおける理学療法士協力隊活動の実際

【著者プロフィール】
伊藤智典・理学療法士。青年海外協力隊(JOCV)隊員として2004〜2006年までエチオピアで活動。2007年から渡英。

今回は、青年海外協力隊で派遣された後、どんな場所でどんな活動を行ったのかということについて触れていきたいと思います。

エチオピア、ゴンダール大学(Gondar University)

 ゴンダール大学は創立50周年を過ぎた大学で、イギリスの女王が来訪して病気の為の研究所を建てた所から歴史は始まると言われています。
 首都から飛行機で約3時間、車だと一日半ほど北へ行き、アムハラ州のバハルダールを越えると、中世ヨーロッパ風の城を有する古都に辿り着きます。
 それがゴンダールです。ゴンダールに入るとすぐ、右側に大学のマラケ・キャンパスが見えます。
 メディカル・ヘルスサイエンスやコンピューターサイエンスなどたくさんの学部がある、国内有数の大学です。

エチオピア、ゴンダール大学の理学療法学科

 前回述べたように、理学療法学科はVolunteer Service Organisation(VSO)によって始められ、その後、United Nation Development Program(UNDP)、Japan Overseas Cooperation Volunteers (JOCV=青年海外協力隊)が参加し、多国籍な講師陣で運営されました。
 私は学部の管理や授業のみならず、実習地確保や国内混乱時における学生の対処まで、さまざまな事を経験しました。学生の多くは発言する権利を有する為、試験終了後の学生に対する対応も勉強になりました。
 私は呼吸器関係の理学療法を指導しており、オーストラリア人講師のJulieやオランダ人講師のBasと協働して授業にあたることもありました。

エチオピア、ゴンダール大学病院の理学療法科

 大学病院内は、外科、内科、整形外科、小児科、産婦人科、眼科などに分かれ、理学療法科においては、身体障害を持つHIVや結核の患者、爆弾・銃弾損傷後の患者さんに対応していました。
 外来患者の多くは歩いて来る事が出来る人でしたが、僻地から来た患者さんは次の日の治療を待つ為に軒下で夜を過ごす事もあり、理学療法以上に途上国において必要な事の多くを考えされられました。
 また、理学療法士は消炎鎮痛薬の処方も認められており、リハビリテーションという枠組みに囚われない治療を行う事が出来ました。
 理学療法科では現地人理学療法アシスタントを3人雇っておりましたが、文化の違いからかカルテや本の管理、また勤務体制の計画(急な欠勤など)がどうにもうまくいかず、とても苦労しました。

エチオピア、ゴンダールのマザーテレサの家

 ゴンダールのサムナブルという地区に、マザーテレサがインドで始めた奉仕活動の支部、「マザーテレサの家」があり、学生と実習へ行っていました。
 そこには、貧困の中の貧困に位置すると言う人々がたくさん入所しており、様々な患者さんに会いました。多くの人々は障害を持つ為に地域や家庭で見捨てられた人々です。
 エイズが発症して離婚させられた、という女性や、結核の発症後に捨てられた子供も見られました。それらの多くは、治療や医学ではとても太刀打ちできないような問題を多く抱えているように思えました。
 そのため、クリスマス時期には音楽や映画を披露するなど、少しでも楽しんでもらえるよう努力しました。

エチオピア、アイケル、チルガ地域でのCBR活動における理学療法士の活動

 地域紛争によってある時期から行けなくなりましたが、スーダン国境近くのアイケル、チルガという地域へCommunity Based Rehabilitation(CBR)の為に出張していました。
 そこでは先天性内反尖足の小児に対してギプスの巻き替えを、脳性麻痺児の家族に対してハンドリングやシーティング指導などを行い、時にハンセン氏病の治療も行いました。
 またエチオピアの手話は日本と異なり、意思疎通が困難でした。基礎教育を受けていない人、公用語を話さない種族の人々もおり、協働したCBRスタッフの重要性を認識しました。

まとめ

 今回は実際の活動について述べましたが、その後、どうして私がイギリスで公衆衛生を学ぼうと思ったのか、という事が少し見えてきたでしょうか?

次回は、留学についてお話をします。
 

写真は、アイケルヘルスセンター

アイケルヘルスセンター

<2008/12/10 PT・OTコラム「ターニングポイント」に掲載>

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