海外リハビリ事情

「海外リハビリ事情」では、リハビリテーション(理学療法・作業療法)について海外の動向や、現在海外で活躍している理学療法士・作業療法士の方々へのインタビューなどを多数掲載しています。
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※過去、PT・OTコラム(会員限定)等に掲載されたコンテンツを再編集し、一般公開しています。

アメリカの理学療法教育 第4回

【著者プロフィール】
長谷川 真人・理学療法士。2001年New York University修士課程合格。日本理学療法士免許取得後、渡米。2005年5月 Certified Therapeutic Recreation Specialist資格取得、のちにNew York州PT免許取得。2008年3月〜現在は東京大学医学部附属病院に理学療法士として勤務。

第4回 アメリカの理学療法士教育実際 その2

アメリカの理学療法教育は、卒後、即戦力となるPT養成を目指しています。
養成校入学前に、大学レベルでの基礎科学、心理、社会学等の履修が殆どのプログラムで要求されていますので、理学療法学生は専門的な学習を集中して進めることが出来ます。
講義だけでなく、様々な実習を取り入れながら、3年から3年半の養成課程が終わる頃に、一人前のPTとして臨床に出て行くための教育が実施されているのです。
実習に関しては、一年次より段階的に臨床経験を積んでいくので、比較的、学生にとっては馴染みやすいシステムといえます。
また実習指導者は指導方法の十分な講習を受け、客観的な実習指導を行っています。

また、日本の理学療法養成校では、国家試験対策を行うと思いますが、アメリカの場合、あくまでも学生の自己責任に委ねていて、学校の方で対策を取ることはしません。
それでもアメリカのPT養成校を卒業した人のNational Physical Therapy Examination(国家試験に相当)の合格率は9割に達します。

アメリカのPTは開業権を持っているので、卒業後、開業出来るPTを養成しようとしているのです。
開業するためには、科学的な根拠に基づいた理学療法(EBPT)を経営戦略に沿って提供するための知識と技術が必要なため、それに見合った教育が提供されています。

研究環境として、学生時代から、教授の研究のお手伝いが出来る機会が多くあるそうです。
理学療法の研究を中心に行いたい学生には、研究に特化した修士課程や博士課程(Ph.D)もあり、研究や教育のアルバイトに従事することで奨学金や生活費も支援される機会が多いといえます。
研究機関と臨床施設が隣接していることも多く、臨床に即した実践的な研究が実施されています。

アメリカの理学療法士養成教育をみてみると、その門戸の大きさに感心させられます。
やる気のある学生にはとても恵まれた環境が整っているのだと考えられます。


 

<2008/08/20 PT・OTコラム「グローバルNAVI」に掲載>

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