【執筆者】王紫敏(国際医療福祉大学 大学院修了生)
私と同じ立場の留学生には前向きにチャレンジしてほしいと思います。

理学療法士国家試験の経験と対策

 日本の国家試験を受験した経験を皆さんにお伝えする機会をいただき、光栄です。国際医療福祉大学大学院の修了生 王紫敏と申します。 最初は「やってみましょうか」という姿勢で、インターネットで情報収集を行い、受験できることに気づきました。厚生労働省のホームページに掲載されている書類を準備し、最終的に2回厚生労働省訪問を経て、資料の提出を完了しました(4月)。11月下旬くらい試験資格の審査結果がわかって、その時から国家試験を受けるまで、2ラウンドの勉強をしました。

第1ラウンドの復習-系統的な学習
日本の国家試験は、中国の国家試験とは重点が異なるため、一から勉強しなければならない部分が多く、これまで接触したことのない専門的な日本語もたくさんあります。そこで、まずは系統的な学習が必要です。復習する時間がほとんどなく、まとめて勉強しないと終わらないほどの内容でした。 第1ラウンドの勉強は「国家試験の達人PT・OTシリーズ」という本を使いました。この本は知識のポイントを系統的にまとめたものと過去問の2部構成になっていて、特筆すべきは、過去問が10年以内の問題だけでなく、10年前の問題も網羅していることです。現在の国家試験とは難易度や重点が少し異なる場合もありますが、第1ラウンドの全面復習には非常に参考になります。知識のポイントを勉強した後、その部分の過去問を演習して印象を深めることで、学習効率が大幅にアップしました。

第2ラウンドの復習-採点の細則を明確にすることと重点を置いた学習
1月末から第2ラウンドの復習に入りました。このステージでは、最終結果に大きな影響を与える実地問題に焦点を当てました。参考になるかどうかわかりませんが、個人的にはこの部分が臨床と直接つなげる部分になっていて、非常に興味深いです。 基礎知識は長い時間学ばない・使わないと忘れがちで、これらの知識を覚え・想起するために、わたくしがよく動作をやりながらこの部分の勉強をしました。例えば、MMTやROMでは、動作をしながら、なぜこの姿勢で計測したのかを考え、その理由をわかると自然に覚えてしまう。 症例問題では、より難易度が高く、基礎知識を全面的に身に付けるだけでなく、症例に合わしてある程度の思考も必要です。理学療法士にとって基礎知識は重要であるが、考え続けること・症例の特徴に合わせて知識を活用することも大事です。したがって、症例問題の練習を行う際には、受験対策みたいにとにかく覚えるではなく、自分の考え方を検証・磨いていく姿勢で、症例問題の練習をやるうちどんどんわかるようになりました。

 12月から2月の国家試験まで、時間的には少しタイトでストレスもありましたが、今までも日本の国家試験を受けてよかったと思っております。合格できた喜びはもちろん、常に自分に挑戦し続けるプロセスが楽しく、その努力がいずれ自分の宝になると信じています。私と同じ立場の留学生には、前向きにチャレンジして、青春を謳歌してほしくて、ささやかな経験と少しつまらない感想ですが、皆さんに共有します。